節句とは、悪い霊を追い払い健康で平穏な生活を願う、意義深いイベントです。
特に、生まれてから初めての節句を迎えることは「初節句」と称され、子どもの元気な成長を祈願する大切な日とされています。
この由緒正しい行事には、長年にわたって受け継がれてきた風習や祝いのマナーが存在します。
生まれて初めての節句である初節句は、男の子にとって一生に一度のイベントです。
その祝い方を学び、適切に祝福しましょう。
初節句の祝賀の仕方
女の子は3月、男の子は5月に節句を迎えます。
「3月3日」と「5月5日」は縁起が良いとされていますが、古代中国ではこれらの日を重ねる奇数の日は「重日」として避けられ、不吉な日とされていました。
そのため、古代中国の人々は、この不吉な日に厄除けの儀式を行い、家族の安全を祈願しました。
これが、現在の桃の節句や端午の節句の起源だと言われています。
「節句」は季節ごとに特別な飾りを設け、供え物をすることで祝う行事です。
これには、季節にちなんだ装飾や食べ物の供え物が欠かせません。
それでは、初節句の場合、どのようなお祝いをするのでしょうか？
五月の節句飾り（武者人形や兜、鎧）
五月の節句に飾られる人形は、子どもたちが健康で逞しく成長するよう願いを込めたものです。
武者人形や兜、鎧といった姿は、強さと勇敢さの象徴であり、これらを通じて子どもが困難を乗り越えて立派に成長してほしいという願いが込められています。
鯉のぼりの意味
中国の古い伝説には、鯉が滝をのぼり龍に変わるという「登竜門」という話があります。
この故事から、鯉は出世や成功を象徴する存在とされています。
鯉のぼりは、子どもが健やかに育ち、人生で大きな成功を収めることを願う意味があります。
祝宴を楽しむ
端午の節句に家族や親戚が集まり、一緒に食事を楽しむのは素晴らしい伝統です。
特別な料理が必ずしも必要ではなく、子どもが喜ぶ食べ物で心を込めて準備することが大切です。
端午の節句には、柏餅や粽が欠かせないお供え物です。
粽はもともと端午の節句に中国で食べられていたもので、現在は笹で包んでいますが、昔は菖蒲で包むこともありました。
柏の葉は新しい葉が出るまで古い葉が落ちない性質から、家族の永続的な繁栄と幸福を象徴する食べ物とされています。
男児の初節句についての基本情報
初節句は長年にわたって受け継がれてきた伝統的な行事で、地域によっては独自の風習を持つところもあります。
以下では、広く行われている慣習やお祝いの方法を紹介します。
五月人形や鯉のぼりを準備するのは誰？
五月人形や鯉のぼりを準備する責任は、伝統的には新婦の実家にあるとされてきました。
これらの節句飾りは結婚の際の持参品の一部とみなされることが多いですが、近年では、子どもの父母が直接購入するケースや、双方の家族が費用を分担する例も増えています。
具体的な準備方法は、家族間でよく話し合って決定することが推奨されます。
五月人形の購入時期と飾り始めるタイミング
子どもの初節句の約2ヶ月前、つまり3月頃から五月人形の準備を始めると良いでしょう。
選択肢が多い中からじっくりと選ぶためには、準備は早めに行うことが望ましいです。
家紋入りや名前入りの注文には、1ヶ月以上の時間が必要になる場合があるため、注文はお早めに。
節句飾りは早めに設置するのが一般的で、4月の初旬から飾り始め、遅くとも祭日の1～2週間前までには設置することが推奨されています。
4月に生まれた男児の初節句の祝い時期
生後初めての端午の節句を迎えるのが「初節句」にあたりますが、新生児期には体調が不安定であり、大々的に祝うことが難しい場合があります。
端午の節句がお宮参りの時期よりも先に来る場合、翌年に初節句の祝いを行うことで、より穏やかにお祝いをすることが適しています。
兄弟にそれぞれ人形を用意するべきか
先に兄弟の一人に大型の五月人形を購入した家庭では、限られたスペースの関係で同じサイズの人形を追加するのが難しいこともあります。
しかし、五月人形は子どもたちが受ける悪い影響や厄を身代わりに引き受ける役割を持つため、理想的には兄弟一人一人に専用の人形を準備することが望ましいです。
サイズが小さくても、各自に一つずつ用意することが大切です。
初節句のお祝い返しの方法
初節句に頂いたお祝いに対するお返しには、お祝いごとに使用される「紅白蝶結び」ののし紙を添えたギフトを選びます。
のし紙の上段には「初節句内祝い」や「内祝い」と記載し、下段には赤ちゃんの名前を明記しますが、親の名前や姓は記載しません。
配送する際の送り状には、赤ちゃんではなく親の名前を用います。
また、雛人形や五月人形を両親や義両親から贈られた場合、お祝いの食事会を開催して一緒に祝うことが、最も心に残るお返しとなります。
自宅でのホームパーティーが難しい場合は、ホテルや料亭でのお祝いも良い選択です。
初節句は子どもにとって一生に一度の重要なイベントですので、適切なマナーとルールを守り、忘れられない思い出を作るよう心がけましょう。
まとめ
この記事では、初節句に関連する基本的な知識から、具体的な準備方法、祝い方、そしてお祝い返しのマナーに至るまで、幅広い情報を提供しました。
古くから受け継がれてきた風習を守りつつも、時代や家庭の状況に応じて柔軟にアレンジすることが、より意義深い祝いとなります。
記事内容が示した例はあくまで一つの参考であり、最も大切なのは家族が心を込めて行うことです。
このガイドが、初節句を迎えるお子様を持つすべてのご家庭にとって、貴重な手引きとなり、記憶に残る素晴らしい初節句のお祝いを実現するお手伝いができれば幸いです。
子どもの成長は一瞬の輝きのようなものです。
初節句のお祝いを通じて、その貴重な瞬間を心から楽しみ、将来にわたって家族の幸せな思い出として大切にしてください。
