中学生期には友達の輪が広がり、夜遅くまでの活動が増えることも珍しくありません。
夜更かししている若者を見かけると、補導の心配をする人も少なくないでしょう。
この記事では、中学生が補導される可能性がある条件や時間帯についてお話しします。
補導の基本とその時間帯について
まず、補導の定義や基準、さらには補導される理由について説明します。
補導とは、具体的にどのようなものなのか、また、どんな状況で行われるのかについての情報を提供します。
補導の意味とその種類について
補導とは、不適切な行動を取る若年層の発見やその予防を目的とした警察の活動です。
20歳未満の若者が対象で、警察官や補導員により行われます。
補導と逮捕は異なり、警察による独自の手続きとされています。
つまり、警察官が「補導する」と決めれば、法律に基づかずとも可能となります。
しかし、補導は通常、警察官個人の判断だけでなく、地方自治体によって定められた基準に基づいて行われます。
補導の形態には「街頭補導」と「継続補導」があります。
街頭補導は、深夜の繁華街などで警察官や補導員が巡回し、若者を補導するものです。
一方で、継続補導は、特定の若者に対して継続的な指導を行うタイプの補導です。
補導対象となる時間帯
具体的な時間帯において補導されるわけではなく、自治体が制定する「青少年の健全な成長を支援する条例」に基づき、中学生が自宅に戻るべき時刻が示されています。
この時間を過ぎて繁華街を彷徨っている場合、補導の可能性が増します。
補導が夜間に限られるわけではありません。
例えば、学校がある平日の日中に制服姿で街中を歩いていると、補導されることもあります。
また、未成年者が禁じられている行為、例えば飲酒や喫煙、夜間の騒ぎ事に関与している場合も、報告により補導されることがあります。
深夜外出と補導のリスク
特に深夜に外出している中学生は、補導されやすい傾向にあります。
深夜外出がいつから問題とされるかは、地方自治体が設ける青少年保護のための条例によって異なります。
例として、東京都では16歳未満の若者がアーケードなど特定の施設を訪れる際、夕方18時から22時までは保護者の同行が必要です。
22時以降は、保護者が同伴していても18歳未満の入場が禁止されます。
ゲームセンターにはプリントシール機やクレーンゲームなどの健全なエンターテインメントが多く、塾終わりに友人と遊びたくなる気持ちも理解できますが、補導のリスクがあるため注意が必要です。
また、自治体によっては20歳未満を対象としており、大学1年生も補導の範囲に含まれることがあります。
中学生の補導後の流れ
中学生が補導されると、具体的にどんな対応がなされるのでしょうか?以下で補導後の一連のプロセスについてご紹介します。
補導された際に警察から質問される内容
補導された中学生は、初めに個人情報(氏名、通っている学校、学年、年齢、生年月日)の提供を求められます。
また、外出していた目的や親の許可があったかどうかについても尋ねられます。
場合によっては、学生証など身分を証明する書類の提示を求められることがあります。
補導の際、単に声をかけられてその場で帰宅するケースもあれば、警察署や交番で保護されることもあります。
この違いは一概には言えませんが、たとえば塾からの帰宅時に偶然繁華街を通りかかった場合などは、声かけで終わることも多いです。
警察署や交番で保護された場合、保護者に連絡が行われます。
学校に連絡が行くかどうかは一定ではありませんが、保護者との連絡が取れない場合などには学校への連絡も考えられます。
中学生が補導に遭遇した際の対応流れ
中学生が補導されるとどのようなプロセスを経るのでしょうか?
以下で、補導後の手順についてご紹介します。
補導時に警察から尋ねられる内容
補導された中学生は、最初に基本的な情報――名前、通っている学校、学年、年齢、誕生日、外出の理由、保護者の同意の有無――を聞かれることが一般的です。
場合によっては、学生証などの身分証明書を提示するよう求められることもあります。
補導の対応には、現場で注意されてその場で解放される場合と、警察署や交番へ連れて行かれる場合があります。
どちらの対応を取るかは、外出している理由や状況によって異なりますが、例えば塾からの帰宅途中など健全な理由であれば、現場での注意で終わることが多いです。
警察署や交番に連れて行かれた場合、保護者への連絡が行われます。
学校への報告は必須ではありませんが、保護者との連絡が取れない場合には学校への連絡も検討されることがあります。
補導歴の影響はある?
補導されたとしても逮捕されたわけではないため、刑事記録が残ることはありません。
したがって、将来にわたって不利益を被ることは基本的にないと安心できます。
ただし、補導の事実は警察の記録に残り、繰り返し補導されるような場合には学校に情報が共有され、指導を受けることも考えられます。
違法行為(例:喫煙、飲酒、薬物使用)が原因で補導された場合、逮捕されるリスクも存在します。
補導の内容や回数によっては、将来に何らかの形で影響が出る可能性も否定できません。
中学生が注意すべき行動パターン
ここでは、中学生が避けるべき、補導のリスクを高める行動について説明します。
以下に挙げるような行動をしてしまうと、時間帯に関わらず補導される可能性が出てきます。
注意すべき補導対象行為
警察は、未成年者の飲酒・喫煙・薬物使用・暴力行為・武器携帯・恐喝など、具体的に17種類の行為を見て補導の対象にしています。
公共の場での飲酒や喫煙、争いごとなどは、見かけただけで補導されることもあり得ます。
最近では、お酒やタバコの販売規制が厳格化されており、中学生がこれらを簡単に手に入れることは難しくなっています。
しかし、仲間内で誘い合わせて隠れて飲酒や喫煙をする事例は依然として絶えません。
さらに、夜遅くに街中をグループで歩く行為も、たとえ友人関係であっても、不健全とみなされ補導の対象となる場合があります。
大人の同伴でも注意が必要な深夜の外出
中学生が大人と一緒にいたとしても、その同伴者が親や直系の兄弟姉妹でない場合、補導の対象となる可能性があります。
たとえば、友達の家族や学校外の指導者と共にいる状況でも、事前に保護者の同意がなければ補導されうる事態になることがあります。
18歳を超える人物との同行があっても、それが安全の保障とは限りません。
完全に問題がない、健全な関係であっても、保護者への事前の報告や深夜の散策を控えるなどの配慮が求められます。
深夜、中学生の立ち入り禁止施設
たとえ保護者が同伴している状況でも、18歳未満の者は夜23時から翌朝4時までの時間帯にカラオケボックス、漫画喫茶、インターネットカフェ、映画館、ボーリング場など、特定の娯楽施設への立ち入りが制限されています。
例えば、終電を逃した場合、大人の間では一晩をインターネットカフェやカラオケで過ごすことがあっても、中学生が同様の行動をとることは許されません。
もし大学生のグループに中学生が一人でもいれば、その中学生は補導のリスクにさらされます。
特に夏休みや冬休みなど長期の休み期間中は、深夜まで外出して遊ぶ中学生が増えがちです。
そのため、終電の時間を親子で事前に確認し、乗り過ごしてしまった場合には保護者が迎えに来るなど、適切な対策を講じることが大切です。
要注意!学業や課外活動で夜遅くなる場合の対策
塾の授業や部活動が理由で、夜22時や23時まで外出している中学生が増えています。
このような場合、特に帰宅路が繁華街を通ると、補導のリスクが上がる可能性があります。
夜遅くまで外にいる必要がある時は、事前に家族との連絡をこまめに行い、万が一補導されても迅速に対処できるよう準備しておくことが重要です。
また、塾からの帰宅時など、たとえ短時間であっても、コンビニエンスストアへの立ち寄りなどの寄り道を避けるよう、子供たちには厳しく指導することが望ましいです。